チャンピオンズ・リーグ決勝 ACミラン VS リバプール

博打の打ち合いなら、最後に弱気になったほうの負け。
あんだけ百戦錬磨のベテランいるんだから、PKの最初のキッカーが途中交代で入ったセルジーニョはないだろう。

前半は完全にACミラン。開始一分足らずで先制。あのセットプレーはたぶん大一番用に準備していたんだろうな。これでリバプールDFが完全に浮き足だち、雰囲気に飲まれてしまう。ミランはやるべきことをちゃんとやって、セーフティリードの三点差をつけて、誰もが勝負あったと感じつつ、前半終了。

一緒に見ていた同居人の一人は前半終了でどこっかにいっちゃった。

ラファ・ベニテスがハーフタイムにどんな魔法をかけたのかよくわからない。ただ、前半とは別のチームが登場したことだけは間違いない。

選手交代はフィナン*1に代えてハマンが投入される。これはフィナンが悪かったというよりも*2トラオレをセンターへ移動させ3バックにし、中盤の底にハマンをすえる、おそらく前半キレキレだったカカ対策だろう、このポジション・チェンジ、賭けがずばりとはまる。守備に忙殺されていたジェラード、シャビが前を向けるようになり、前へ前へと圧力が掛かり始める。同時に中盤で確実に数的有利を作り出せるようになったために、ポゼッションでもリバプールが有利に。

このチームは一度歯車が噛み合えば手が付けられない。5分ちょっとで三点取って同点に。一点目のジェラードのヘッドはなぜかマークが完全にズレ、フリーで飛び込んでいるし、二点目のスミチェルのミドルは、ギリギリのところまでバロシュが壁になっていて、さしものジータでも止めるのはキツイ。そして三点目のPKは・・・ジェラードのナイス・ダイブ。倒れる瞬間笑ってやがる。シャビのPKはジータが止めるものの、こぼれ球を押し込み、これで同点。

これで前に出なくてはならなくなったミランが逆襲に転じたために、均衡した展開に。惜しまれることは、ミランとしてはもう少し早め早めの交代でも良かった
のではないだろうか。切れるカードの数はミランの方が多かったわけだし。

そんなこんなんで90分終了。延長は終始ミランペース。FBを削り3バックにしたリバプールのサイドを途中交代ではいったセルジーニョをうまく使い、攻め立てる。しかし、ほぼ5バック、ジェラード、シセが最終ラインに入るような亀ディフェンス、そしてキャラガーの身を挺した守備にも助けられ凌ぐ。そして何よりデデュクが神。最後のシェフチェンコの2連発も止めPKへ。

PKでも、「不思議なおどり」を使ったデデュクが5本中3本止めて*3、奇跡が起こる。シェフチェンコもこれで他の歴史的プレーヤーに並んで、PK失敗の心の傷をもつことに。

土壇場のところでの大博打がはまった感はあるのだけれども、それでも今シーズンのリバプールらしい勝ち方だと思った。来シーズンのチャンピオンズ・リーグの出場権はどうなるんだろう?それよりも、せっかくインタビューなのに、興奮していることもあるし、そもそもすっげー訛っていることもあり、そしてなにより僕がすっかり出来上がっていることもあり、ジェラードが何言っているのかさっぱりわからなかった。インタビューアーは移籍について質問していたはずなんだけど。この状況で出て行く理由はどこにもないだろう?

追記
調べたら彼はこういったそうな。
"How can I leave after a night like this?"
みんなが欲しい台詞をちゃんと言っていたんだね。

*1:BBCやSKYによるとどうも怪我したためらしい。ちと心配。

*2:前半に関して言えば、左サイドのトラオレの裏を狙われることの方が多かった。

*3:一本は最初のセルジーニョの宇宙開発