あと一試合

昨日のFAカップ決勝は、FAカップ史上初めてのPK戦にまでもつれ込む激戦に。
ポール・スコールズのPKをレーマンが辛うじてはじき、結果アーセナルが勝利。アンリ、キャンベル不在にもかかわらず、優勝できた背景は、若手の成長とベテランの復調にあるんだろう。特にここ数試合のベルカンプのパフォーマンスは、おそらく首脳陣の中では今シーズンかぎりという規定路線があったのだろうけれども、それを覆し、どうやらもう一年の契約更新のオファーを出したそうな。めでたしめでたし。*1来シーズンが、彼にとって最後のシーズンとなるだろう。年齢的にも、飛行機嫌いという彼の性格からしても、全試合出場は当然無理。しかし、コンディションを整えられれば、年間20試合ぐらいなら、まだどうにかなると信じたい。

負けたマンチェスターは今年無冠ということに。買収の問題などピッチ以外の問題も新たに浮上して、来年以降立ちなおせるかどうかまだわからない。今シーズンの敗因は、スタートダッシュでの躓き(中心選手の欠場)、中盤の高齢化が原因によるパフォーマンスの不安定化、エース・ストライカーの不調、信頼できるGKの不在、などいろいろとあるわけだけど、どれもこれも結構厄介な問題。自家生産のユース出身選手がレギュラーを固めることで、ユナイテッドらしさを継承することが、このチームの強さの要因の一つだったはずなんだけど、最近意気のいい若手があんまり出てきていないので、そのへんが不調の最大の要因かもしれない。変に外国人選手を買い*2、交換するよりも、手持ちの駒を最大限に生かす方がこのチームらしいと思うのだけれども。

今日起きて、TVをつけるとチェルシーの優勝パレード*3がちょうど始まるところだった。4つ、もしくは3つは取れるかと一時期は思ったものの、結果として2冠(リーグ&カーリングカップ)に終わった。でも、メンバーはまだまだ若い。そして優秀な監督と無尽蔵な資金力。黄金期を築けるかどうかは、来年以降の努力しだい。シーズン後半に露呈した意外なほどの選手層の薄さ*4を改善するのが、今シーズンオフの課題だろう。そして、これがおそらく運命の分岐点。インテル、レアル的な大味なチームになっていくのか、それとも質の向上を果たせるのか。

来シーズンのプレミア・リーグはこの3チームに、イスタンブールでの決戦を控えたリバプールが絡んでいく、そんな構図だろう*5

*1:おそらくFAカップを取れなければ、ベルカンプとの契約交渉はなかったのだろう。

*2:TV放映を見ているとACミランのガットウーゾをロイの後釜に据えるべき、という意見が根強いみたい。でも、ロイみたいな組み立ては彼にはできないと思うのだけれども。

*3:なんでもダフはパスポートを韓国でなくして、参加できなかったらしい。らしいといえば、彼のキャラクターらしいのだけれども

*4:新興チームの悲しさといってもいいだろう。完成度が高くつい忘れがちなのだけれども、結局のところまだ一年目のチーム。今シーズン初めの構想とトップ・パフォーマンスを実現したころのチームではかなり面子が異なっている。だから余剰戦力のあるポジションと、代わりの選手がいないところの濃淡が最後の失速に繋がったと思われる。

*5:ニューキャッスルは最低でも2,3年は掛かるんだろう。没落という最悪のシナリオまでありえるぐらい迷走している。このチームもこのシーズン・オフをどういう風に乗り切れるかしだい。