チャンピオンズ・リーグ チェルシー VS リバプール

ダフやっぱり出られなかった。ロッベンもまだ復帰直後ということもありベンチ・スタート。にもかかわらずフォーメーションは普段と変わらない。左のウィングにはグジョンソン*1。さすがのチェルシーも両翼をもがれたら、飛び立てない。

一方のリバプールはアウェイということもあり、ビスチャンを中盤の底に起用し、やや守備的な陣容。右サイドはジェラード、アロンソ、ガルシアのどちらかが張り出すような感じ。

試合の方は、今季4度目の対戦ということもあり勝手知ったる物同士、お互いの良さを消し、中盤での潰し合いの様相。チェルシーお得意のロング・ボールからのカウンターは、リバプールDFが空中戦で相手を自由にさせず、DFラインの裏へ走り込みも、丁寧なオフサイド・トラップで封じる。リバプールバロシュ、ガルシアの走りこみは逆にチェルシーDFがスペースを与えず、ジェラードの飛び出しもマケレレマンマークで完全に押さえられる。そういう壊れそうで壊れない緊迫した均衡を維持したまま試合が進む。

両チームともこういう緊迫した展開をミドル・シュートで力ずくでこじ開けるのが得意なはずなのだけれども、バイタル・エリアで相手にスペースを与えず、たとえ打てたとしても、身を挺して防ぐ、見ているほうとしても、もどかしくもあり、でも、見ごたえのある緊張した試合。

後半になっても、この傾向は変わらない。両チームとも一歩も引かず、攻撃の糸口を模索し続ける。例えばそれは選手交代にも見て取れる。
チェルシー側は59分にチアゴに代えロッベンを。78分にコールに代えてケズマンを投入と、ペースを変え、きっかけをつかもうという戦略。
リバプールも65分にバロシュに代えシセを。86分にビスチャンに代えキューウェルを。ロスタイムにガルシアに代えスミチェル。という風に手駒にある攻撃的な選手を投入。これはおそらく攻撃の活性化だけでなく、来週のアン・フィールドでの第二戦に向けた準備、怪我で戦列を離れていた選手を一刻も早くトップ・フォームへ、そういう意図があったのかもしれない。

そういう感じで、90分の前半戦が終了。チェルシーはダフの回復、あとロッベンがどのタイミングで本調子(今日は彼らしいプレーは若干見られたけど、まだまだ回復途上という感じ)を取り戻せるか、というのが課題か。リバプールも怪我からの復帰組の体調と、カード累積で出場停止のアロンソの穴を埋められるかどうか、そういったところか。

*1:ギャラスがオーバラップしたスペースを埋めつつ、DFのライン・コントロールに参加している姿を見ると、ちょっと涙がこぼれそう。器用というのは時に不幸なことなのかもしれない。