アイルランドVSチェコ

すったもんだありまして、パブに着いたのは、前半30分を回ったあたり。
スコアーは0-0。
そこからのダイジェストです。

ぱっと見た感じ、どうやらアイルランドペース。チェコは前線の電柱コラーをうまく使えていない。理由はアイルランドの中盤での激しいチェックおよび、両サイド、とくにダフのいる左サイドでボールキープされているために、サイドから前線へのクロスがうまく通らないため。しかし、アイルランドも攻めあぐねている感は否めない。
前半終了間際のチャンス。ダフが個人技で左サイドを突破、フォローへ入ったセントラルMFのキルバインがクロス、なぜかノーマークになっているロビー・キーンへ。キーンのボレーシュートはミスキックになったものの、それをFWの片割れ、モリソンが飛び込むも触れず、結果ゴールキックへ。という感じ。

後半に入ると、明らかにテストマッチモードのチェコは、4人の選手を交代。FWのコラー、セントラルMFの入っていたネドベドもこの時点でアウト。というわけで、アイルランドが明らかに主導権を握る。にしても、アイルランドの前線からのプレスは相当厳しい。後半開始直後なんぞ、モリソンは相手MFのロングボールを股間にあててクリアーなんてチンプレーも見せてくれる。(とうぜんパブ中大笑い)
後半51分。アイルランドのカウンター、ポストに入ったモリソンのユニフォームをチェコDFが引っ張ってしまい、ペナルティエリア直前でのフリーキック。キッカーは前回ブラジル戦で、ベンチで苦虫を噛んだような表情で試合を眺めていたイアン・ハート。ちょっとミスキックぽく、低い弾道で飛んだボールはチェコゴール右隅へ突き刺さり、アイルランドが先制点。これはおそらくチェコDFの壁の作り方に問題があったかもしれない。そんなにカーブがかかっていたわけじゃないので。

その後もアイルランドペースは変わらず、しかしチェコもカウンターから得点を狙うような展開。56分にはアイルランドルーズボールを拾ったチェコの鋭いカウンター。しかし、アイルランドDFが体を張ってゴールを死守。

その後、ちょっと疲れが見え始めたダフを下げると、いくぶんチェコペースへ。73分には、左サイドからのグランダーのクロスにボロスが飛び込むも枠の上。

このままアイルランドが逃げ切るかという空気が漂い始めた80分。ようやくできたチェコポストプレーからの落としに反応したボロスが、DFと競り合いながらうまく体をいれ、ゴール右隅へボールを流し込む。土壇場でチェコ1-1の同点へ。

チェコ勝ち、1-2へ張っている僕は、あと10分ある。アイルランド人には悪いが、勝たせてもらうぞ、私利私欲にまみれてまくっていました。

89分。アイルランドの左サイドからのロングスローがだれも触れず、ゴールへ入るという珍プレー。パブは一瞬騒然となりますが、ハンドボールじゃないんだから。

僕の欲とはうらはらに、ゲームはロスタイムへ。ロスタイムは5分。途中、アイルランドDFが壊れたために、結構長いロスタイム。頼む、チェコ、とりあえず放り込め、と思いつつ、頼みのボロスも直前に交代しているので、なす術なし。

そのまま引き分けかと思われた、ロスタイム、アイルランドのカウンターをサイドバックセンターバックがチェックに行き、ディレイをかけた瞬間、チェコMFがうまく体をいれ、技ありのインターセプト、と思った瞬間、後半から降り始めた雨で、チェコ選手がスッテンコロリン。そのこぼれ球を拾ったアイルランドはゴール前に張っているロビー・キーンへマイナス気味のグランダーのクロス。当然チェコDFがキーンへ詰めようとした瞬間、またもやスッテンコロリン。このチャンスを綺麗なトラップから冷静にゴール右隅へロビー・キーンがボールを突き刺して、ジ・エンド。

アイルランドが2-1で苦しみながらも勝利。

感想。
ダフはやっぱりいい。ゴール前に飛び込めるし、サイドでボールキープもできるし、ドリブル突破からのチャンスメイクもできる。しかもちゃんと自陣深くまでもどって守備もする。中村俊輔もこれぐらい、いやこの半分ぐらいでいいから仕事できると、だいぶ状況は変わのになぁ。

前回、ブラジル戦の感想として、優秀なFKがいないアイルランドは互角以上の相手との試合ではきついなぁ、というのがあったんですが、イアン・ハートの復帰でこれはどうやら解消したらしい。とはいえ、彼はほとんどオーバーラップを仕掛けないので、サイドからの崩しという面では、いただけないのだけれども。でも今日の試合に関して言うと、彼はもっぱら守備的にプレーすることを命じられていた可能性はあるのですが。その代わり、ダフのフォローはセントラルMFがサイドに流れる形で補っていました。だから戦術的な問題なのかもしれません。

で、ロビー・キーンはやっぱりかっこいい。気合の入り方がちょっと違う。散々外していたけど、ちゃんと最後に仕事をしたし、彼がいるといないとでは、締まりが違うのだろう。そういう意味でも、ロイ・キーンのワールドカップ直前の離脱は、ロビー・キーンやダフの成長を促したという意味で、重要なことだったのかもしれない。そして、この二人がそろうのであれば、ロイ・キーンはいらないというのが、僕の意見。

チェコに関しては、だいぶテストの比重が大きかったんだろうけど、ユーロに向けて、バックアップの層の薄さは結構深刻かも。電柱は一杯いるんだから、もうちょっとサイドからの崩しを試みないとダメでしょう。

最後に、なんでこんなに強いのに、お前らユーロに出られんのじゃ。おかげでこちとら、ポルトガルにも行く理由がなくなり、たぶんパブでさびしくテレビ観戦なんだぞ、だから、ちゃんとワールドカップ予選はちゃんと取りこぼしなく、勝ち上がってください。そのころにはたぶん僕は日本にいるのだけれども、都合がつけば、ちゃんとドイツまで応援に行ってやるから。