同居人について

現在、6人で郊外の一軒家をシェアしております。国籍はイランX1、ドイツX1、スウェーデンX1、ウェールズX2。順番は推定年齢の順。私はちょうど真ん中ぐらい。まあこれだけばらばらだと楽しいと言えば、楽しいのですが、元ムスリムアメリカで博士号をとってきたインテリイラン人VS合理主義の名の下に宗教を否定しつつも、でもやっぱりクリスチャンくささの漂うドイツ人VSおいら難しいことわからない、しいて言えば「俺が神」、もしくは「酒が神」だとのたまうリアルに「ハマータウンの野郎ども」なウェールズ人の神の実存性を巡る熱い議論がキッチンで繰り広げられたりするわけで、楽しい毎日です。当然僕は、「酒は神」派なんですが。宗教のネタは難しくなりすぎるので嫌いです。そうな素適な同居人の中でも、特に異質なのがウェールズ人のカール君、24歳。同じウェールズ人の彼女と一緒に暮らしております。

ご職業は建設業。ウェールズで労働者階級。つうことで、本気で何言っているかわかりません。何いっているかわからないにとどまらず、行動もよくわかりません。いい奴だとは思うけど。週末だけでビールを40本。ウォッカを一本、ワインを3本空けていました。彼が一人で飲んだ分量です。おかげでキッチンは空の酒瓶(週末分)で溢れかえっております。庭にも相当量の酒瓶が。(2週分)一応、ガラスの瓶をリサイクルコーナヘ運ぶのは彼の家事分担です。

週末に酒飲んでいるくらいなら、かわいいのですが、当然絡んできます。「酒のもうぜー」ぐらいから始まり、ファッション講座、音楽、映画、いろいろと僕に説明してくれます。ありがたいのですが、エビスジーンズのことなら、日本人の僕の方が詳しいのです。音楽も・・・。

こいつの音楽の趣味が鬼畜で、まあなんでも聴くタイプみたいなんですが、よくわからない。土曜日に何を勘違いしたのか、フリオ・イグレシアスのCDを2枚買ってきまして、ずっと流しているわけです、週末中。エンリケじゃないですよ、親父のほうですよ、しかも大爆音で。日曜日は彼の彼女は仕事があったらしく、一人お留守番のカール君は、朝から、キッチンに籠もり、ビールを飲みながら、フリオ・イグレシアスを大爆音で、しかも彼のコーラス付きで、流し続けておりました、夜まで。僕の部屋は、キッチンから一番離れたところにあるので、さほど気にならないのですが、微妙に聞こえてくるわけです、フレーズが、「セクシー」だの「エクスタシー」だの、「君に胸キュン、キュン」*1などと。しかもエンドレスです。

怒ればいいのでしょうが、何せカール君は僕がちょっと引くぐらいの巨体。酔っ払った時に持ち上げてみた感覚だと、優に100キロは超えるでしょう。しかも建設業に勤務しているだけのことだけあって、骨太、筋肉の量もハンパじゃない。しかも小言を言おうかと思ってキッチンに行くと、ビールを奢ってくれる。うん、憂い奴だ。ミイラ取りがミイラになるわけで、らちが空かない。しまいには、カール君は、10も年の離れたドイツ人ゾーレンに、「コンビニ閉まっちゃったから、パブまで行ってビールとウォッカ買って来て、ダッシュで」とパシる次第で、ちょいとばかりやり過ぎです。行くゾーレンもゾーレンだが。

そんな感じで、週末は大変だったので、ちっとも仕事が進みやしない。毎週こうじゃないことを祈るばかりであります。

*1:YMOの「君に胸キュン」にそっくりな曲があったのですが、この歌の元ネタなんでしょうか?