北アイルランド遠征 二日目

昨日は宿に帰ってから、上の日記を書いた後、どっと眠気が襲ってきたので、そのままバタンキュウ。朝はおかげで早くに目を覚ました。でもB&Bの女将さん曰く「朝食は8時半からしかできない」ということなので、それまで我慢しなきゃならない。今日の目的地であるバンゴー(Bangor)という街までは、列車で一度ベルファストまで行き、そこで乗り換える。朝一の列車は8時半。ということでこれには乗れないらしい。次は10時半ちょっと前。出席予定の会合は1時スタート。10時半の列車に乗れば、まあ間にあう。

久しぶりのフル・アイリッシュ・ブレックファーストを食べ、向かいが来るまで部屋でTVを見ながら暇を潰す。オーウェンが移籍したらしい。ハリケーンの被害は洒落にならないみたい。

駅まで送ってもらい、列車を待つ。でも来ない。今日は天候がちと良くない。良くないといっても、要するにいつもどおりの天気なはずなんだけど、それが影響して列車が遅れているらしい。20分ぐらい遅れてやってきた列車に乗り込み、とりあえず、今日僕を受け入れてくれるクラブの偉い人にテキストを送る。「列車が遅れたせいで、着くのはぎりぎりになります」と。

それでもなんとか会合には間にあった。昼の会合ということもあり、短め(2分)で、と言うこともあったので、エピソードの触りの部分と、北アイルランドに関わる僕の関心を述べて終わる。同じテーブルの人たちとは、とりあえず昨日聞き忘れていたので、最近の紛争がらみの進展についての意見なり感想なりを聞いて廻る。もちろんいろいろな感情があるのだろうけど、概ね好感をもっているらしい。このクラブにいる人たちだから、特定の社会階層的(たぶん北だと特定の宗教的)バイアスが掛かっているのだろうけど、そういうのを差し引いても、ピース・プログラムの進展は好意的に思われているみたい。「ここまで長すぎた。本当に時間が掛かった。でも、これでたぶん終わりになる。終わらせなきゃ前に進めないんだ。」こういう感じのことを、ある老人は呟いていたのが、印象に残った。

会合がはねたあと、このクラブの偉い人の案内でぐるりとこの街を廻る。こじんまりとはしているけど、大きなヨット・ハーバーがあって、ビーチがあって、本当に綺麗な街だ。雨と霧がひどかったせいで、海と空との境界がはっきりしないような感じだったのだけれども、聞くと普段は、ここからスコットランドが見えるらしい。

バンゴーからベルファストまでは30分しか掛からないし、電車の数も多く問題はない。でもベルファストでさらなるトラブル。

ダブリンに帰る列車が遅れている。30分ぐらい遅れそうと駅員は言っているけど、確証はないらしい。「もし急いでいるなら、ニューリーまでの電車はあるから、そこまで行ってバスに乗り換えろ」とのこと。ぱっと計算するが、夕方に向かう時間ということ、ダブリンまでの距離を考えると、あんまりいいプランとは思えない。ちゃんと30分遅れで列車が来るならば。

しょうがないから駅のパーラーでビールを飲みながら列車を待つ。そんなに酷い天候には思えないのだけれども、どこかで局地的に降ったのだろうか?それとも北アイルランドも所詮アイルランド。時間や約束なんて破って当たり前というふうに思っているのだろうか?

何が問題かというと、ダブリンに戻ってすぐに人と会う待ち合わせをしているからなんだけどね。日本から短期間の調査に来ている研究者の方なので、もちろんこちらで使える携帯など持っていないみたいなので、約束の時間に少し遅れることを伝えたいが、伝える術がないので困っているところ。


一応こっちの携帯の番号は教えているし、たぶん10分ぐらいの遅刻でどうにかなりそうだし、たぶんOKだと思われる。というわけでベルファストからダブリンへ向かう列車の中から。そしてまだ今日は終わらない。