親善試合 アイルランドVSイタリア

練習を眺めていたら少し驚いた。どうやら両リードがスタメンの模様。ということはダフをFWとして使うのかと思ったらそうでもない。モリソンの1トップ。スタメンはこういう感じ。

       モリソン
ダフ                      アンディ 
     キルバーン  S・リード
             ホランド 
オシェイ カニンガム  ダン フィナン   

        ギヴン

1トップ、3センター。ただしホランドは若干低めのポジション。モリソンががんばってポスト・プレーをし、中央及び両翼の選手がそれをサポートする感じ。

練習の雰囲気からハート、オブライエン、エリオット、ミラー*1の4人は後から出てくるような感じで念入りにウォーミング・アップをしていた。


今地上波での再放送を観ながらこのレビューを書いているのだけれども、スタジアムで観てもイタリアのうまさは惚れ惚れした。特にピルロ。ポジショニング、トラップ、視野の広さ、そしてロングパスの精度。生で観るのはこれで二度目だけど、本当にいい選手だ。

日本でもスカパーで中継があったようなので、細かい試合展開よりも個人的な評価を。

ギヴン 会場発表では今日のMOMだそうな。まあいつもながら安定している。2失点だが、あれはしょうがないだろう。  6

フィナン デルピエロ、そして後方から進出してくるザンブロッタ相手だから苦戦するのも致し方ない。結果として売りの攻撃参加が出来なかったのは残念だが。間近で観ていると、守備のときに少々中央へ絞りすぎている感があって怖かった。普通のチームなら良いが相手にはピルロがいて、左サイドにデルピエロがどフリーというのは、観ている方からすると結構怖いぞ 5.5

ダン 強いのはいいが、やっぱりスピードが足りない。全治三ヶ月といわれた怪我から復帰してすぐだからまだフィジカルが戻っていないのかもしれない。スタメン奪取はちと厳しいか。 5

カニンガム よく守っていたが、何度か裏を取られるスルーパスを通されたのも事実。オフサイドトラップを仕掛けて失敗したシーンもあった。しかし代わりが効かないのも事実。がんばれキャプテン 6

オシェイ 試合当初は左FB。ホランド負傷後は中盤の底とマンチェスターUで鍛えられているだけあって使い勝手の良さを見せた。いい攻撃参加もあったし、フィジカルの強さもある。問題はショート・パス精度。6

ホランド 前半終了間際に負傷で交代。ガットウゾのいい肘が首筋に入ったのでそれが原因だろうし、もとより怪我明けの体。たいしたことがないといいのだけれども。プレーに関しては、新しいフォーメーションということもありコンビネーションの面で多少問題があった。特にマークの受け渡しがずれることがあり、前半の苦戦の原因の一つに。本業は彼だけなのだから、ゲーム中にうまく指示をだし、修正して欲しかったし、それだけのことを求められてもいいプレーヤーだろう。展開パスの質といい、現状を考えるとロイが復帰するとやはりベンチ・スタートが妥当か。 5

キルバーン 1トップということもあり、普段より前方への進出が目立つ。高さ、フィジカルの強さを生かしたドリブルなど悪くはなかった。攻撃の組み立て、ショート・パスの精度、あとシュート精度、前からの課題は依然解決はしていないものの、中盤のダイナモとしての役割は充分に果たせた。 6

S・リード キルバーンの横で中盤を担当。フィジカルの強さは印象に残ったが、守備ではそれほど役に立っていた印象はない。売りのスピードが生かせるほど今日の中盤にはスペースはなかった。右のウィングに廻ってからの方が良く見えたが、スタメンを奪えるほどではない。ロングスローは武器になるだろうから、混戦でのスーパーサブ的な活用が現実的か。 5

アンディ 普段どおりの質の高いプレー。特にパスの精度、視野の広さが印象に残った。得点は正当な報酬だろう。 7

ダフ まだまだ本調子ではないものの、充分相手に脅威を与えた。試合中しり上がりに調子を上げていったことを考えても、フランス戦のころには100%の状態になるだろう。 6

モリソン なれない1トップで苦しむもできは評価していいだろう。ポストプレーも体を張ってボールをキープしていたし、空中戦もそれなりに戦えた。サイドに流れても、ミスキックのような気もしなくはないが、結果的に得点の起点となった。一杯シュートを外すのは仕様です。そのかわり普段なら決めていそうなところで足が伸びていなかったりする辺り、早く90分出られるチームに移籍して試合感を取り戻して欲しいところ。最後のハンドは不運。 6


以下途中交代

ハート 止まったボールを上手に扱えることは誰でも知っている。課題はやはり守備。スピードで競り負けるシーンが何度かあった。シーズンが開幕してフィジカルが戻れば大丈夫なのか?とりあえずスペイン二部にいる選手でないことは確かだから、ちゃちゃと移籍してくれ。セルッティクでもいいが、そうすると中村のFKが見れなくなるのは少し困る。5.5

オブライエン 相変わらず足元は怪しいが、ダンよりスピードがあるのは確か。DF間を狙ったスルーパスも身を挺してカバーしており、現状ではカニンガムとの相性も一番良いように思える。 6

カー 守備でのミスはほとんどなかったし、貢献していた。しかし持ち前の攻撃参加はフィナン同様抑えられていた。力関係的に今日は仕方がないのかもしれない。 6

ミラー 今日は中盤で起用。彼の良さが発揮されるほど、プレー時間は長くなかった。
5.5

エリオット 終了間際に投入されるも、気迫あふれるプレーがチームを鼓舞した。キーバーのナイス・セーブに阻まれたが惜しいシュートもあった。もう少し長い時間みたいが、今日のようにスーパーサブ的な活用が一番効果的なんだろう。フランス戦でフランスのジジィたちを地獄へ突き落とすようなゴールを期待しつつ 6.5


イタリアの採点は最近めっきりセリエAを見ていないので、後半から誰がだれなのかさっぱりわからなかったので勘弁を。ただ選手層が厚く、よく整備されたチームだなぁと感心しながら観ていました。くぐってきた修羅場の数が違うといわんばかりの憎たらしさでした。個人的なMOMはキーパーのローマ。今日は当たっていたんじゃないのかな?

最後に、審判。最後のモリソンのハンドは見逃してくれても誰も文句言わなかったと思うよ。2-2の引き分け。主力選手を欠いたアイルランドがロスタイムに苦しみながらも追いついた。これ結構いいストーリーだったと思うんだけどね。

*1:髪をばっさり短くしてたので誰だかわからなかった。正確に言うとエリオットが二人居るように見えた。背格好とか線の細さとか遠めで観ているとだいぶ似通っている。