西武とロッテの合併に関して
長らく千葉に住んでいた。生まれ育った島を飛び出してから、ここダブリンに渡ってくるまでの間だから、結構長い間お世話になった街である。そしてそれなりに愛着もある。
東京から見たら、どってことのない郊外のベットタウンの一つなんだろう。
でも、千葉にはマリーンズがある。それ以外にもそろそろジェフは移転してくるし、船橋には中山競馬場もある。これだけそろっている場所が日本中にそう何箇所もない。
僕は決してマリーンズのサポータではない。行っても年に数試合だ。そしてここ数年、
つまりダブリンに渡る直前、および今年日本に一時帰国している際は、共に悪天候のため
試合が見れなかった。だから最後のマリーンスタジアム詣では平井の引退試合。2002年シーズンの公式戦最終試合ということになる。
だから、決して褒められるような客ではない。でも、僕がそうであった様に、千葉に住んでいる人間はここ十年の間に、少しずつマリーンズへの愛着を覚え始めてきたのは確かであろう。確かにその歩みは、非常にゆっくりしたものだけれども。
マリーンスタジアムはいい球場だ。晴れた日の午後、内野自由席あたりに座って、ビールを飲みながらの試合観戦は最高に気持ちがいい。それになにより、あのライトスタンドの熱狂、応援団ではなく、ファンではなく、あれは間違いなくサポーター、彼らの独特のスタイルは一見の価値はある。たぶんサッカーの応援スタイルから援用したものだと思うのだけれども、彼らは新しい野球の応援文化を生み出し、それを定着させたのだから、もう少し褒められていい。
でも、そういう事柄はマスメディアでは報道されない。そういう情報はたとえ首都圏に住んでいる人間であっても、パリーグの試合を見に行くような人間でなければ、ほとんど知らない。ただ、ロッテは人気がない球団である、とか、観客動員が少ない、とか、そういう断片的な情報を基にしたイメージだけが先行する。ロッテは地元に根付きつつあるし、観客動員だって伸びているにも関わらず。そもそも与えられる情報自体が間違えているのだから、正確に判断するのは難しい。
確かに、球団経営はお世辞にもいいとは言えないだろう。でも、これはロッテの、もしくはパリーグの経営責任だけの問題ではなく、日本のプロ野球の構造、もしくは日本の社会システム自体に由縁する問題である。*1だから、1リーグにすればとか、10球団にすればとか、そういうレベルで解決する問題ではないと思っている。だからこそ、チームの合併なんて冗談じゃない。
一度なくなってしまえば、すべてがなくなる。僕はこの世から既に消滅してしまったとあるサッカーチームが好きだった。でも、あのチームはもう戻ってこない。またあの悲劇が繰り返されようとしている。勘弁してくれよ。